ブログ【デザイン稼業徒然草】(10)キティちゃんの褌姿のキャラクターに賛否両論!浜田有弘(株)ジックランド
このブログ【デザイン稼業徒然草】の頁は、大阪の企画デザイン&マークロゴ&キャラクター(株)ジックランドのデザイナー浜田有弘(濱田有弘)のブログです。
★ブログ|デザイン稼業徒然草(10)
◆キティちゃんの褌姿のキャラクターに賛否両論!
今日は、巷で有名なキャラクターのキティちゃんのニュースです。
キティちゃんの褌姿(締め込み姿)が物議を醸しているという【「かわいい」「不謹慎」“締め込みキティちゃん”に賛否の声】(産経ニュースmsnより)ニュースで、いちデザイナーとしての見解を書かせて頂きます。
■褌がダメらな祭りも相撲もダメで日本文化が廃れる原因に!
さて、キャラクターのプロを名乗る私としての意見をご参考までに。
結論は、「まあいいんじゃない」ということです。
反対者の意見は、不謹慎? だということらしい。
キティちゃんの後ろ姿、それもお尻見せている、博多どんたく祭りの若衆の褌姿という。
さて、この絵を見てどう感じるかですね。
この絵が公序良俗に反しているかどうかです。
つまり、公の秩序と、善良の風俗、社会的妥当性が認められる道徳観といてどうかということです。
ひらたくいえば、この絵を見て、卑猥に感じるかどうかです。
不謹慎という人は、少々そのように感じるのでしょうか?
日本の祭りでは、褌姿はよくあります。ましてや、国技の相撲しかり。
最近では、女子相撲もあるではないですか。
この絵を見る限り、成人女性のお尻には見えない。
おむつのCMにぷりぷりおしりの赤ちゃんが登場しますよね。
あんな感じにしか私には見えませんが…。
強いていえば、ちょっとお尻のラインが強調されているかな…。もう少し立ち姿に。
細かいことだが、褌の幅をちょっとだけ広くするなど。
私ならその辺を配慮する。
最近の日本人は、何でもかんでも「それのみ」で批判し、ああだこうだと騒ぎ過ぎるきらいがある。
それは、モノゴトを一方的にしか見られない西洋文化に影響された現代人の弱点なのではないでしょうか?
それは、二元論思考に毒された思考なのでしょう。
物事をシロかクロか? 或いは、善か悪か? 常に対立的な物の考え方に陥る可能性を秘めている。
その考え方では、常に自分は善で、他者は悪。
自分だけは良しで、それ以外はダメ。という危険な思想に…。
然し、日本は昔から、墨の文化で、灰色もありでグレーゾーンも認めていたのですね。常に自分以外の他者、いえ、自分以外を取り巻く世の中というか世間というか、もっといえば天というか宇宙というか、とにかく視野を広める見方を意識していた…。
そして、それが自分をも含める一体として見ていた…。
要するに分離していなかったのですね。自分と自分以外のモノコトを…。
境界線とつくっていなかった…。
色にしたって、七色の虹と言っても、どこからどこまでが赤色でどこからどこまでが橙色って境界線を引けないでしょう。
また、政治の世界などでは、良し悪しは別にして、「玉虫色の決着」なんていうこともまかり通る世界もある。
要するに、良い意味では、敗者や勝者、勝ち負けをつくらないというか、みんなで仲良くという考え方で、それが悪い意味では、「みんなで渡れば怖くない」の思想に及ぶ。
だから、それも時と場合によりけりで、日本人は昔昔から、絶対悪や絶対善なんでこの世にはないということを知っていたからではないだろうか…。
今回のお尻やふんどしが悪いというのは、ちょっとおかしい考え方だ。
なぜなら、日本の温泉文化では、裸は良し、「裸のつきあい」は善なのですよ。
でも、西洋や他の東洋圏でも、裸は悪という概念がある。
だから、今回の裸にふんどしでお尻を出すのが悪だと主張するのは、日本文化をないがしろにする以外の何物でもないでしょう。
日本人は、自分の裸も良し、他人の裸も良し。みんな良し。
自分も他人も一緒という考え方。これはあくまで昔の人の考え方で今は…。
最近は、裸を恥ずかしがっていた外国人だって、温泉や裸のつきあいを良しと受け入れているのに、反対に日本人の子供たちが、裸で一緒のお風呂に入れずに、修学旅行では、水着を着て入るらしい。
一体、だれがそういう風に仕向けてしまったのか?
だからそういう風に日本文化をないがしろにした連中が、温泉も、共同風呂も、サウナも、相撲も、ふんどし姿のお祭りもみんなダメということになる。
今回の件で、安易に反対する人はそこまでの深い読みがないのですよ。
その書かれたシーンと言うか、それの必然性を云々できないのですから…。
困ったもんです。
こういうことに、物議をかもし、また、それをマスコミがニュースで取り上げ、ああだこうだと面白可笑しく騒ぎ立てることに、もっと疑問を呈しましょう。
というのが、私のデザイナーとしてよりも以前に、日本人としての見解です。
◆山笠キティが発売中止、「お尻」デザインに難色
また、このブログを書いた後に、結局、このデザインの山笠キティが発売中止とあいなりました。なんか、制作する側の企画やポリシーも浅はかな感じで、なんとも後味の悪い結果となり、制作側に立つ人間としては、残念です。
日本人の波風をたてたくないという変なメンがもの出たニュースです。
これを機会に日本人は、もう一度、日本の文化をしっかり考えるべき時ではないでしょうか?
守るのか、捨てるのか?
守るにはそれなりの覚悟がいるのでしょう。
そんな根性はない? そもそも根性というものがないのだから、守れるわけがない?